
フィンランド・ナイトビジョン映画祭
スウェーデン・ルンドファンタスティック映画祭ほか
宇宙の彼方より
ポール・ドルシュ、ユルゲン・ハイミュラー、インゴ・ハイセ
フィリップ・ジェイコブス、マイケル・カウシュ、オラフ・クレトケ
マルコ・ライプニッツ、ラルフ・リヒテンベルグ
原作: ハワード・フィリップス・ラヴクラフト
脚本・監督・製作:フアン・ヴ
製作:ヤン・ロス、ピーター・ティリッシュ
音楽:ティルマン・シーゲ
撮影監督:マーティン・コルバート
編集:ヤン・ロス、フアン・ヴ
美術監督:ピーター・ティリッシュ
衣装:フリーデリケ・ベア、ラベア・シェーファース
特殊効果:マーカス・ベッツ、セバスチャン・エルスナー、マクシミリアン・フェドロフ、マルティン・グレジンガー、ステファン・ハーンライン、ティモ・ロイヒト、オリバー・マツケ、ベンク・オルパック、オジオシロ、トビアス・ラソカト、ヤン・ロス、ソレン・ヴォルツ、フアン・ヴ、キャロライン・ワイデンヒラー
録音:クリスチャン・スペート
メイク:フランツィスカ・ブルンナー
日本語タイトル・字幕監修:森瀬繚
日本語字幕:川野耕一
タイトル協力:グループSNE
宣伝プロデューサー:滝澤令央
配給協力:モクカ
配給:Cinemago
作品データ:2010年 / ドイツ / セレクトカラー / DCP / 86分
《劇場公開情報》
2023年公開予定



Introduction
《 史上最も“野心的な”ラヴクラフトの実写化作品 》
映画作家 フアン・ヴ監督が、 SF怪奇小説家であり「クトゥルー神話」の生みの親、H.P.ラヴクラフ トの熱烈なファンとして、その原作を基に30代初めに製作したドイツ映画。 原作の短編小説「The Color Out of Space(宇宙からの色)」が舞台をアメリカに設定したのに対し、本作は監督の生まれ育ったドイツ、バーデン=ヴュルテンベルクに設定を変更して撮影を行う。
2011年、フィンランドのナイトビジョン映画祭に選出され、その後も、スウェーデンのルンド ファンタスティック映画祭、メキシコのモルビド映画祭、オランダのブレダB映画祭など数多くの映画祭で上映。2012年にはポートランドで開催されるH.P.ラブクラフト映画祭にてH.P.ラブクラフト・フェスティバル賞を獲得した。
また、ラブクラフトマニアの間では2019年のニコラス・ケイジ版の同タイトル映画よりも、本作のフアン・ヴ監督版の完成度のほうが原作の世界観に近いとの評価を受けている。
日本での劇場公開に際し、字幕監修を日本のクトゥルー研究の第一人者である森瀬繚が務め、日本語字幕を川野耕一が担当。

Story
1975年、アーカム。ジョナサン・デイビスの父親が失踪した。
彼の足取りはドイツ、そして第二次世界大戦後に駐屯していたシュヴァーベンはフランコニアの森へと続く。
森の奥深くで彼が遭遇したのは彼自身の暗い過去であった。
時を同じくして、宇宙より飛来した隕石がこの地に残した呪われし遺産を露わにする...。


comment
詩人・Cinemarche元編集長 河合のび
「創造主ヤハウェは『光あれ』と唱えた」
「その“光”とは、果たして“聖なるもの”だったのだろうか」
1890年に生まれ、1937年に永遠と横たわることにしたその作家は、
『The Colour Out of Space』を執筆していた時、
そんな妄想も脳髄に浮かべていたのかもしれない。
映画とは、蠢く光を見つめるために創られた装置である。
しかし、人々が映画によって見つめる蠢く光とは、
果たして“聖なる光”なのだろうか。
少なくとも、これから私たちが見つめることになる
“あの色(Die Farbe)”は、
決して“聖なる光”ではない。
“あの色”は 誘蛾灯じみた可視の引力によって我々を束縛し、
我々の心身を一生涯蝕み続ける。
しかし、有象無象の光が氾濫の一途をたどる現代だからこそ、
誰もがより怖れ、同時により欲するようになった
“宇宙的孤独”という真実の輝きを放つ光は、“あの色”だけなのだ。
......やはり“あの色”は、
映画が見つめる蠢く光と血縁があるようだ。
全ての秘密が潜み続けるあの井戸も、
カメラのレンズのように見えてきてしまった。
Director
フアン・ヴ:Huan Vu
1982年、西ドイツはシュトゥットガルト出身。 1970年代にベトナムからの留学生として渡独、サイゴン陥落後も ドイツに滞在した両親のもとに生まれ、幼少期は国境による分断 と民族アイデンティティについて葛藤する日々を過ごした。
2008 年にシュトゥットガルト・メディア大学在学中にフアンは、人気 TRPG「ウォーハンマー40,000」を原案としたファンフィルム「Damnatus」を制作。
H.P.ラヴクラフトの古典的SF/ホラー短編小説「The Color Out of Space(宇宙からの色)」を 題材にしたヴー監督の長編第2作「Die Farbe」は2010年に完成。複数の国際ジャンル映画祭で 賞を獲得した。
現在、ラヴクラフトのクトゥルー神話を原作とした新作『The Dreamlands(原題)』を制作中。


Theater
【東京】
2023年 春公開
【横浜】
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